AI時代に人間はどれだけ働くべきなのだろうか。経営コンサルタントの矢内東紀さんは「日本の大企業であれば『1日8時間、週40時間働く』といった価値観が根強いが、本来これは自由である。ChatGPTという技術の登場によって2時間かかる作業が1分で済むようになったら、後の時間をどう使うかは個人の選択に委ねられている」という――。

※本稿は、矢内東紀『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

あやつり人形
写真=iStock.com/SvetaZi
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クイズ作りはChatGPTで1問100円→10円に

とにかく早くその中に飛び込まなければいけない。

これは産業革命に並ぶ技術革新の到達点であり、まさに破壊的なイノベーションです。

私は当時経営していたクイズバーの経営から身を引き、新たにAI、ChatGPTに関連する会社を2社起ち上げました(しかし現在は再任)。

きっかけとなったのは、まさにそのクイズバーでした。

端的にいえば、クイズの制作はもうChatGPTに任せられると思えたことが大きい。

それまでもクイズ作りの作業をAIで試してみたことはありましたが、間違った問題を作ってしまうなど、その精度は実際の仕事で生かせるレベルではありませんでした。

それがGPT-3.5になって劇的に改善され、GPT-4で「クイズ作りはAIでOK」という確信に変わりました。

簡単にいうと、私が経営していたクイズバーの場合、1問100円で人間が作っていたクイズ作りが、ChatGPTなら1問10円で済んでしまうといったことが起きたのです。

これと同じ話があらゆるところで起こることは間違いなく、いわゆるまとめライター的な仕事はChatGPTで十分でしょうし、中レベルくらいのエンジニアの仕事もなくなることは想像に難くないでしょう。

この手の話はずいぶん前から「AIに奪われる仕事」とか「10年後になくなる仕事」といったテーマで散々語られてきましたが、今回のGPT-3.5、そしてGPT-4の登場によって、より現実的なテーマとして目の前に現れました。

私は、これらの劇的な変化が現在どのように起こっているのか、またそれをどう乗りこなしていけばよいかをお伝えしたいと思い本書(『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』)を執筆しました(なお、本書の大半の部分をGPT-4を使って書いています)。