プーチン大統領が失った3つの「大切なもの」

いよいよロシア、プーチン大統領の運命が見えてきた。2023年6月下旬に突如として起きた“ワグネルの乱”。それ以前から、表面化している問題である。プーチン大統領はウクライナ侵攻で得るものは何もなく、失うものばかり。政治的な失脚にとどまらず、文字通りの“ご臨終”もありうる。

ロシアのプーチン大統領。
ロシアのプーチン大統領。(時事通信=写真)

ウクライナは6月から南部と東部で本格的に反転攻勢に入った。守勢のロシア軍は、戦車による進軍を止めるために南部ヘルソン州でダムを爆破し、人為的に洪水を引き起こしたとみられている。ロシア側のなりふり構わぬ抵抗もあって、ウクライナの反攻作戦は時間がかかりそうだが、潮目が変わったことは間違いない。

ここに来てプーチン大統領が失ったものは3つある。まず1つは外貨だ。実はロシアの有力な輸出品の1つが兵器で、シリア内戦まではよく売れた。

ところが今回のウクライナ侵攻で、ロシア軍の弱さが露呈した。ロシア軍が弱かった原因は複合的だが、単純に西側からウクライナに供与された兵器に、ロシア製兵器が性能面で劣っていたことは否めない。いくら価格が安くても、実戦で欧米の兵器に対峙したときに使い物にならなければ意味がない。ロシア兵器の商品価値は暴落だ。