外国人労働者の日本離れが深刻

介護問題が深刻だ。日本の人口は、2056年に1億人を割る。試算では、65歳以上の高齢人口3750万人に対して、15~64歳の生産年齢人口は5265万人。1人の高齢者を、1.4人の現役世代が支える構図だ。

少ない現役世代で大勢の高齢者を支えれば、現役世代の介護費用負担も増える。この先、介護保険料がどこまで増えるのかと、現役世代は戦々恐々としているに違いない。

お金以上に深刻なのが、介護に従事する人手の問題だ。先日、BBTに21年勤めていた幹部社員が介護離職して、故郷の九州に帰ってしまった。彼は優秀な人材だったので、「お金は払う。向こうで介護してくれる人を雇えばいい」と慰留したが、ダメだった。

「お金で解決できるなら私もそうしたいが、地方には介護の担い手がいない。自分でやらざるをえないのです」

現時点でも悲惨な状態だが、将来はもっと厳しい。厚生労働省は21年に、将来必要な介護職員の数を発表。そこでは、40年度に必要な介護職員が280万人と示された。19年度の介護職員数は約211万人だから、約69万人の増加が必要。生産年齢人口が減る中で、介護の担い手をどうやって3割以上も増やすのか。日本の大きな課題だ。

どうすべきか、介護の担い手問題を解決する方法は2つしかない。

1つは、移民を受け入れることだ。