成果主義を導入したものの、ほとんどの社員が「平均より上」の評価だったり、成果と報酬がリンクしていなかったりと、満足に運用できていない企業は多い。企業のパフォーマンスを上げるための業績評価の仕組みと動かし方とは。

企業文化やニーズに合った評価制度を

今日、ますます多くの企業が自社の業績評価(パフォーマンス・マネジメント)システムが目に見える結果を生むことを求めるようになっている。そして、これらの企業が気づき始めているのが、どの企業にも適用できる業績の概念にしがみついていたのでは、自分たちの望む結果は得られないということだ。

社員の活動を管理する最も強力なシステムは、「その企業ならではの事業脈や人的資本の背景に合わせてつくられたものだ」と、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングのコリーン・オニールとローリ・ホルジンガーは、最近の報告書で述べている。しかし、これ以上ないほど精巧にカスタマイズされたシステムでさえ、自動操縦で動くことはできない。システムの成功は、幹部たちに、望みの結果を生み出すための説明責任を自分自身にも部下にも負わせる用意があるか否かにかかっているのである。

優れた業績評価には、全体を見渡す目(パースペクティブ)、評価基準、実行する情熱が必要だと専門家は言う。最も優れたマネジャーは下記の3つの作業を行っている。

●3つのグループ――傑出した貢献をしている少数の社員、順調に仕事をこなしている大多数の社員、標準に達していない少数の社員――を区別する厳密なシステムを開発する。
●社員の貢献を促す評価基準をつくる。
●スーパーバイザーが、目標を達成していない部下と率直に話し合ったり、金銭的インセンティブを実績に連動させたりすることを恐れない説明責任の文化を育む。