同じ言語を話す場合でも、文化が違えば互いに期待することが違う。自分の文化を押し付けても、相手の文化を生半可に理解しても異文化の壁は乗り越えられない。異文化交渉における正しい戦略とは。

あるアメリカ企業が、アジアに自社のOA機器市場があるのではないかと考えて、OA機器を扱っている日本と韓国の大手小売企業数社と接触した。日本の1社が前向きな反応を示し、ミーティングのためにアメリカに代表者を派遣してきた。

アメリカ側は自社および自社製品を紹介する分厚いレポートを用意し、パワーポイントを使って派手なプレゼンテーションを行った。それに対し、日本の代表者は何の準備もなかったようだ。アメリカ企業の弁護士は日本の代表者に、彼の会社の組織構成や財務状況についてあれこれ質問した。ところが、彼はその質問を無視し、アメリカ側のCEOに向かって「日本にお越しいただけませんか」と言ったのである。