説明責任の文化を築く

健全な業績評価システムは、幹部たちに自分の責任を引き受けさせるのに役立つ仕組みを与えてくれる。自分の部下が各自の目標を達成できるよう取り計らう責任、さらにはその部下たちがそれぞれの部下に同じく説明責任を負わせられるよう取り計らう責任である。そのようなシステムは、2つの方法で説明責任の文化を育む。

第1に、健全な業績評価システムがあることによって、社員は設定された目標への前進を評価するために定められている基準を守るようになる。

また、健全な業績評価システムは、マネジャーが評価にあたって労を惜しまず、明確に判別するよう仕向ける。

パフォーマンス評価プロセス全体を定期的に評価することも、説明責任の文化を築く一助になる。

スプリント(カンザス州)では、年次評価の最後に行うオンライン調査で、評価プロセスについての社員の意見を聞いている。同社は昨年の社員のフィードバックも踏まえて具体的なマネジャー技能目標を作成しており、今年の評価プロセスでは、社員は自分の上司の評価技能を評価することができる。

マネジャーの関心を早急にパフォーマンス・マネジメントに向けさせるためには、評価能力を昇進の重要な判断基準にすることが、最も効果的だ。

カリフォルニア州のルーカスフィルムでは、マネジャーのパフォーマンス評価の現在の基準には、直属の部下の能力開発にいかに熱心に取り組んだか、パフォーマンスの問題を突き止め、対処するためにいかに積極的に取り組んだかも含まれている。これらの面についての評価が、上級幹部になるためのマネジャーの潜在能力の評価という、より大きな評価の一部になるのである。

(翻訳=ディプロマット)