TikTokで人気の動画にはどんな共通点があるのか。芝浦工業大学の原田曜平教授は「たとえば『容姿ポテンシャル自慢』というジャンルがある。自分の容姿をストレートに自慢すると炎上リスクがあるため、父親の若いころの写真を投稿することで、間接的に自慢している」という――。(第3回/全3回)
Z世代の若者たちはTikTokに刺激を求めている
TikTokはZ世代と呼ばれる若者の間で人気のSNSです。僕たちの調査結果で、10~20代の約26%、10代女性は50%近くが利用していることが分かりました。
そんなTikTokではどんな動画が人気で、どんな共通点があるのでしょうか。2021年11月~2022年7月に一般人から投稿され、10万回以上再生された、いわゆる“バズった”動画を分析すると、3つのインサイト(人を動かす隠れた心理)が浮かび上がってきました。
①「知りたい・学びたい」……知らない世界や日常に役立つことを知りたい・学びたいというインサイトに応える動画
②「共感したい」……自分と同じような愚痴や悩み、憤りなどを抱えた人に共感したいというインサイトに応える動画
③「刺激を受けたい」……新しいインフルエンサーの手法、推し活、間接自慢を知り、自分も取り入れたいというインサイトに応える動画
②「共感したい」……自分と同じような愚痴や悩み、憤りなどを抱えた人に共感したいというインサイトに応える動画
③「刺激を受けたい」……新しいインフルエンサーの手法、推し活、間接自慢を知り、自分も取り入れたいというインサイトに応える動画
本稿ではこのうち「刺激を受けたい」のグループを掘り下げます。そこには大きく3つのタイプがあります。
人気者の気持ちを味わってみたい
1つ目は「プチインフルエンサーワナビー」。一般の投稿者がインフルエンサーのように振舞う動画がトレンドになっています。
Z世代に人気のインフルエンサーは、SNSで「このイベントに来ています、見かけたら声をかけてね」といった投稿をすることがよくあります。これによって現地でフォロワーからたくさん声をかけられるわけですが、これは本人が人気者だからこそ。一般の子が同じことをしても、インスタやTwitterではそもそも投稿自体見てもらえないことも少なくありません。