TikTokで人気の動画にはどんな共通点があるのか。芝浦工業大学教授の原田曜平さんは「たとえば『世直し口実系過激動画』というジャンルがある。このうち『渋谷の路上喫煙者を公開説教してみた』という動画は370万回再生になっている。罪悪感なく過激動画を見たいZ世代のニーズにマッチしているようだ」という――。
Z世代はTikTokに何を求めているのか
TikTokは、Z世代の約半数が使っている動画投稿サイトです。ここでバズった動画を分析すると、Z世代のインサイト(人を動かす隠れた心理)が見えてきます。
僕が所長を務める「次世代生活研究所」では、2021年11月~2022年7月に一般人から投稿され、10万回以上再生された動画を収集して分類・分析しました。その結果、“バズる動画”は以下の3つのインサイトに分類できることがわかりました。
①「知りたい・学びたい」……知らない世界や日常に役立つことを知りたい・学びたいというインサイトに応える動画
②「共感したい」……自分と同じような愚痴や悩み、憤りなどを抱えた人に共感したいというインサイトに応える動画
③「刺激を受けたい」……新しいインフルエンサーの手法、推し活、間接自慢を知り、自分も取り入れたいというインサイトに応える動画
②「共感したい」……自分と同じような愚痴や悩み、憤りなどを抱えた人に共感したいというインサイトに応える動画
③「刺激を受けたい」……新しいインフルエンサーの手法、推し活、間接自慢を知り、自分も取り入れたいというインサイトに応える動画
本稿ではこのうち「共感したい」のグループを掘り下げます。そこには大きく3つのタイプがあります。
「縮毛矯正をかけたら髪がチリチリになった」に500万回再生
1つ目は「愚痴共感」です。TikTokでは、Z世代が愚痴を吐露する動画が人気を集めています。大人から見れば「わざわざ投稿するほどの内容か」、「そんなことで愚痴るなんて甘い」と感じてしまうものが大半ですが、Z世代の若者は深く共感するようで、僕自身も分析しながら世代感ギャップの大きさを痛感しました。