あなたは地元自治体の財政状況をご存じだろうか。行財政アナリストの磯道真さんは「自治体財政状況ランキング(2022年版)」を作成した。今回は、全国にある1741自治体のうち、「貧乏自治体」の市区編ワースト200をお届けする――。(第2回/全4回)
断トツの1位は財政破綻した“あの街”
あなたは、自分が住んでいる自治体の財政状況をご存じだろうか。
債務(借金)が多ければ、将来の返済負担が重く、いずれ行政サービスに支障を来しかねないことを意味する。
逆に借金より金融資産の方が多く実質無借金なら、余裕を持った行政運営ができる。多額の金融資産を保有していれば、新たな住民サービスを始めたり施設を建設したりすることも容易だ。
最も貧しい自治体はどこか――。市区では財政再建中の北海道夕張市が断トツの1位で、同じ北海道の士別市、赤平市、深川市などが上位に名を連ねた。一方で、北九州市や京都市など政令指定都市の苦しい懐事情も明らかになった。
一人当たり240万円の借金をかかえる夕張市
地方自治体の財政状態を表す指標はいろいろある。税収に代表される自主財源の割合を示す財政力指数、義務的な経費を安定収入でどの程度賄えているかがわかる経常収支比率、債務の返済負担をみる実質公債費比率など。
官庁会計の歳入は税収と地方債のような借金が一緒になっており、歳出も人件費のような純粋な経費と資産が残る投資的経費が区別されていない。フロー(収支)で豊かさを評価するのは難しい。
そのため、今回は債務水準に焦点を当てる。2021年度末の住民1人当たり実質債務を算出し、ランキングしてみた。
普通会計ベースの地方債残高に有利子負債相当額を加え、積立金等を差し引いた実質債務の住民1人当たりが最大だったのは、2007年に財政破綻した夕張市で239万円にのぼっていた。