「従業員の半数をクビ」などで社内は大混乱
Twitterの黒字化を急ぐイーロン・マスクCEOは、コスト削減のための大胆な「改革」を断行している。だが、着任早々に従業員のおよそ半数をレイオフするなど、後先を顧みない拙速な行動が目立つ。
認証バッジの有償化やTwitterに好意的でないジャーナリストのアカウント凍結など、わずか2~3カ月で数々のスキャンダルを生み出した。ついにはマスク氏自ら「CEOを退任すべきか」をユーザーに問い、過半数から「Yes」を突きつけられる珍事も起きた。
かつてIT界の寵児とたたえられたマスク氏の栄光は見る影もない。まるでマスク氏が「ワンマンショー」を演じ、ユーザーという観客の前で珍妙な策を繰り出すことで、強引に注目を集めようとしているかのようだ。
華々しいショーの一方で、舞台裏にあたるTwitter社は大混乱だ。ニューヨーク・タイムズ紙などの報道によると、本社では行き過ぎたコストカットが災いし、ついに社屋に備わっていたトイレットペーパーさえ尽きたという。
サンフランシスコ本社およびニューヨークの拠点では、これまでオフィスの基本的な維持活動を行っていた清掃チームとの契約を解除した。これによりオフィスフロアには悪臭が流れ込み、補充用のトイレットペーパーが尽きるという事態に発展している。
Twitterの従業員たちは、突如現れたマスク氏の指揮の下、悪臭に耐えながらの業務を強いられている。迷走するTwitterを象徴するかのような出来事だ。
床にはテイクアウトの食べ残しが散乱
トイレ騒動は昨年末ごろから、Twitterの従業員たちが利用する業務コミュニケーションアプリのSlack(スラック)のチャンネル上で聞かれるようになっていた。その後、今年頭にかけて米メディアが取り上げたことで表面化した。
ニューヨーク・タイムズ紙は昨年12月30日、「Twitterから消えたものは? データセンター、清掃員、そしてトイレットペーパーだ」とする記事を掲載した。記事は、サンフランシスコ本社ではフロアの一部解約に伴い、6つあったフロアの従業員たちがいまでは2つのフロアに詰め込まれていると指摘する。
窮屈になったオフィスは、衛生状態の劣化も著しい。フロアの清掃サービスはほぼ完全に打ち切られ、床にはテイクアウトの食べ残しが散乱。トイレは目に見えて汚くなり、補充されないトイレットペーパーは尽きたと同紙は報じている。