記事を共同執筆したIT担当記者のマイク・アイザック氏が個人のTwitterを通じて明かしたところによると、取材に応じた元従業員のひとりは「あそこはひどい悪臭だ」と語ったという。
米フォーチュン誌も同様の報道を行っている。同誌は昨年12月31日、「イーロン・マスクが『狂ったようなコスト削減』を続けた結果、Twitterの従業員たちは職場に自分のトイレットペーパーを持ち込んでいる」と報じた。
従業員たちはSlack上でトイレットペーパーを懇願している
サンフランシスコ本社に限らず、ニューヨークのオフィスも同様だ。
米インサイダー誌は1月6日、「悪臭漂うマスク:イーロン・マスクがオフィス施設のスタッフを削減したため、Twitter従業員たちはトイレットペーパーを懇願し、悪臭が漂うとSlack上で訴えている」と記事にしている。
匿名で取材に応じた複数の従業員たちは同誌に対し、「トイレットペーパーはオフィスのどこにも見当たらない」と述べ、著名IT企業に似つかわしくない現状を嘆いている。
同誌がSlack上で確認したメッセージによると、従業員たちは「トイレは清掃されておらず、詰まった便器がいくつかあり、悪臭が廊下や作業スペースにまで流れ込んで来ている」と苦境を訴えているという。
ある従業員は、基本的な衛生用品がないことは「ひどいの一言」だと述べ、社内の士気に悪影響が及んでいると指摘した。サンフランシスコ本社は新たな清掃チームと契約を交わしたとの情報もあるが、ニューヨークはいまだ放置状態だという。
データセンターの閉鎖で世界的な通信障害が発生
コストカットのあおりを受け、社内のIT基盤も混沌へと向かっている。インサイダー誌は、技術サポートチームの「ほぼ全員」がマスク氏により解雇されるか自主的に退職しており、「社内向けITサポートチームが存在しない」状態に陥っていると報じている。
パソコンの充電ケーブルの故障から、社内システムにログインできなくなったという深刻な問題に至るまで、IT関係の不具合に対処できるスタッフがほぼいない状況だという。
ひとたび問題が発生すると、最悪の場合は一定期間業務の遂行が不可能となる。マスク氏による厳しい勤務評価にさらされている従業員たちは、焦りを募らせる。
影響は社内にとどまらず、エンドユーザー向けのサービスの質にも低下が見られるようになった。
昨年末、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、インドなどで、投稿や閲覧ができなくなる大規模な障害が発生している。有力な技術メディアの米テッククランチによると、一部のユーザーの画面には、Twitterのサーバーの処理能力をオーバーしている旨のエラーメッセージが表示された。