イソフラボン以上に老化防止作用が期待される「エクオール」
大豆のすごさはこれだけではありません。最近の研究から、イソフラボンから分解されてできる「エクオール」という物質が、イソフラボン以上に健康に良いことが判明したのです。
エクオールは、イソフラボンの中のダイゼインという物質から、腸内細菌による酵素の働きで作られる物質です。イソフラボンと同じく、更年期症状や骨代謝の改善、閉経後における女性のメタボリック症候群の予防、肌の老化の抑止などに関わっていますが、エクオールの作用は、通常のイソフラボンの何倍もあるといわれています。まさに、アンチエイジングの救世主としてエクオールは注目されているのです。
ただ残念なことに、エクオールはすべての人が作り出せるわけではないのです。腸内細菌は、個々人がそれぞれ100種類以上を持っていますが、誰もが同じ種類を持っているわけではありません。どんな腸内細菌を持つかは、生まれたときの環境や親から受け継がれることで、誕生後すぐに決まります。
エクオールを作り出す腸内細菌はわかっているだけで約15種類ありますが、これらの腸内細菌を持っていない人は、イソフラボンを摂取してもエクオールが作られないのです。
体内でエクオールを生成できる人は血管年齢が10歳若い
日本人はエクオールを作り出せる人と作り出せない人は、1対1だといわれています。私は抗加齢ドックの受診者152名(男性61人、女性91人、平均年齢69歳)に協力してもらい、尿からエクオールの含有量を測定しました。すると、60人がエクオールを持っていることが判明しました。割合にして約4割です。やはり、日本人の約2人に1人程度がエクオールを作り出せると考えられます。
その検査では、その他にも驚きの事実がわかりました。エクオールを作れる人は、エクオールを作れない人に比べて、血管年齢が10歳も若かったのです。また、認知機能検査の点数が高いことも明らかになりました。