大豆食品を日常的に取り入れることが重要

クオールを作れるか否かは、病院や市販の尿検査キットでも調べることができます。仮にエクオールが作れないとわかっても、悲観することはありません。私が調べたところ、エクオールが作れないという評価の中にも、「エクオール産生菌はまったくのゼロではない」という人がたくさんいました。

お酒を飲み続けるとだんだん飲めるようになってくるのと同じように、大豆食品を日常的に取り入れていくことで、しだいにエクオールを作れる体になる可能性は十分にあります。

仮にエクオールが作れなくても、イソフラボンそのものが健康に良いことには変わりませんので、継続的に大豆食品を摂っていきましょう。昨今は大豆を原料としたエクオールのサプリメントも発売されていますので、試してみるのもよいでしょう。

「イソフラボンは女性ホルモンの代わりになる」という点から、大豆食品は女性向けなのかと思った方もいるでしょう。

そんなことはありません。男性の老化現象を食い止めるのにも、大豆食品は非常に効果的なのです。

大豆から作られた日本のビーガン食品には、納豆、味噌、豆腐、醤油、もやしなど多く含まれます。
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男性もイソフラボンを摂ったほうがいい

60歳以上の男性の2人に1人は、前立腺肥大症になります。残尿感がある、夜中に尿意で起きる、尿意があるのになかなか出ない、というつらい症状です。

実はイソフラボンには、前立腺肥大の予防効果があると期待されているのです。

前立腺が肥大する仕組みには、男性ホルモンのテストステロンが関係しています。テストステロンは前立腺の内部でジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるホルモンに変換されます。DHTは生殖器の発達に関わる必要なホルモンですが、こと中年以降の男性にとっては「薄毛(AGA)」や「皮脂分泌」や「前立腺肥大」を引き起こす、やっかいなホルモンなのです。

なんとイソフラボンには、DHTの働きを抑える効果があります。

それもそのはずで、イソフラボンは女性ホルモンの代わりになる働きをするので、その作用によって男性ホルモンDHTの働きを抑えることができるわけです。

中年期以降の男性も、積極的に大豆食品を食べることをオススメします。

このように、大豆食品は男女ともに老化抑止に役立ちます。ただし、婦人系のがんで抗がん剤治療を受けている女性や、前立腺がんが進行している男性には逆効果になる可能性もあります。その点は注意するようにしてください。