IFRSと日本の現行基準との違いについて、公認会計士の岡村憲一郎氏は次のようなユニークな見方をしている。

「日本基準では海外の子会社が現地の基準を採用することを幅広く認めている。800万の神を崇めてきた多神教の文明が会計制度にも反映されているといってもいい。一方、一つの会計原則に統一する原則主義に則ったIFRSは、アングロサクソンの一神教の世界に通じる。IFRSの適用は根本的な会計思想の変革を迫るものといえるだろう」

そうしたIFRSへの“改宗”がもたらす軋轢が、固定資産の減価償却の問題として表面化しつつある。減価償却は購入した機械や車両などの資産を、ある一定期間にわたって費用化していく会計処理のこと。その償却にあたって日本国内のほとんどの企業は毎年一定の率ずつ償却する「定率法」を採用してきた。しかし、海外では毎年一定の額を償却する「定額法」が一般的であり、海外の子会社や関連会社もそれに準じることが多かったのである。