IFRSの導入によって、一人ひとりのビジネスマンの仕事ぶりに大きな影響を与えそうなものが「収益の認識」、つまりどの段階で売り上げを立てるかという基準が変わりそうなことである。これまで日本の国内企業は、商品を出荷した段階で売り上げを認識する「出荷基準」を採用することが多かった。

しかし、IFRSでは売り上げを認識する際には、(1)リスクと経済価値の移転、(2)継続的な管理上の関与などがない、(3)経済的便益が流入する可能性が高い、(4)信頼性を持って収益の測定が可能、(5)信頼性を持って原価の測定が可能―という五つの要件をすべて満たすことを求めている(図1参照)。この点について監査法人トーマツの牛山誠パートナーは次のように解説する。