EU(欧州連合)など世界各国で適用されつつある新しい国際会計基準「IFRS」。正式名称は「国際財務報告基準」だが、一人ひとりのビジネスマンに対する影響は意外にも大きい。

「えっ、何でこんなにも自分の評価が低いんだろう。担当の薄型テレビの売り場では自分の売り上げが一番。毎日仕事を終えてから最新機種の情報を仕入れたり、努力をしてきた。それなのに……」

家電量販店のトップセールスマンを自負するA君は、上司から人事評価のフィードバックを受けて愕然とした。どうしても納得がいかず、上司に理由を尋ねると、意外な答えが返ってきた。

家電量販店、スーパー、百貨店、航空会社などあらゆる業種で普及したポイント制度。しかしIFRSが適用になると、付与したポイント分が売上高から除外されることになる。

「評価に占める売り上げ実績のウエートが高いことはわかっているよね。その売り上げに対して10%なり15%のポイントをお客さまに付けているじゃないか。今回から、そのポイント分を売り上げから外すことになったんだ。だから君の評価も下がったというわけなんだよ」

(市来朋久=撮影)