住宅の建築費用が大幅に上昇している。不動産コンサルタントの長嶋修さんは「『追加で500万円を支払え』というケースもある。こうした値上げは『特約』に書き込まれている場合、合法なので対応するしかない」という――。
家の模型の前で悩む男性
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「ウッドショック」により住宅建築費が高騰

「住宅の建築費用が当初の金額より200万円以上高くなると言われた」
「リフォーム工事を検討しているが、カタログより高い見積もり金額を提示された」

いま、全国の消費生活センターに、こうした相談が多数寄せられています。

2021年に「ウッドショック」が発生して以来、戸建住宅の建築費が高騰を続け、中には「契約時より大幅に値上がり」し、その超過分を請求されるといったケースも相次いでいるのです。

「ウッドショック」とは、コロナ禍をきっかけに発生した、世界的な木材価格の高騰のことです。

コロナ禍でリモートワークが普及すると、より広く快適な戸建住宅を求めるニーズが、アメリカ・カナダなど北米を中心に、世界各国で高まりました。

日本でも、2021年に入ると、コロナ禍からの経済活動回復の動きがあり、住宅需要が高まります。

加えて、コロナ禍の影響で世界の物流が混乱。特に国際海上輸送が、大きな打撃を受けた結果、輸入木材価格がさらに高騰してしまいました。

その結果、戸建住宅の建材として使われる、木材の価格が一気に高騰。その影響で、いま、戸建住宅の建築費が急上昇しているのです。