「コロナ・オイル・アイアン・ウッド」の4大ショック
住宅建築費の高騰要因は、ウッドショックだけではありません。
「コロナ」「オイル」「アイアン」を加えた、「4大ショック」が、いま、日本の住宅需要を直撃しています。
その一つ、コロナの影響がまだまだ続いています。
ゼロコロナ政策を取る中国では、つい6月まで上海がロックダウンされていましたし、いま世界中でオミクロン株BA.5系統による「第7波」が猛威を奮っています。
しかも、ウクライナ戦争により、ロシア産木材の輸出が制限されたことで、ウッドショックに拍車がかかっています。
木材を含め、さまざまな資材のサプライチェーンが回復するのは、まだまだ先になると予想されます。
また、原油・ガソリン価格の高騰も、住宅建築費を押し上げています。
7月19日時点での全国のレギュラーガソリンの価格は、平均で1リットル当たり171.4円。3週連続で値下がりしたものの、まだまだ高値で推移しています。
原油価格が上がれば、建築資材の輸送費が上昇するほか、工事コストにも跳ね返ってきます。
原油価格のほか、鉄価格の高騰も大きな影を落としています。
異形棒鋼(鉄筋)、H形鋼(鉄骨)といった、鉄(鋼材)価格が上昇を続けており、部材によっては、過去最高値を更新したものもあります。
鉄筋や鉄骨といった鋼材は、マンションだけでなく、戸建住宅の建設でもよく使われます。そのため、鋼材の価格が高騰すると、やはり住宅建築費に跳ね返ってきます。
実際、2006年から2008年に鋼材価格が高騰した際は、建築費の水準が大きく上昇したことがあります。
その上、円相場が歴史的な円安水準となっているため、外国から輸入する資材・資源価格は、円高時より、大きく値上がりしてしまいます。
こうした複合的な要因により、「住宅建築費インフレ」が引き起こされているのです。