立派な企業理念を提示しても、社員1人ひとりの心に届かないのはなぜだろうか。会社のビジョンを社内に浸透させ、社員の、会社への愛着を高めることにも成功した例を紹介する。

企業理念を行動指針に落とし込んで実現

会社のブランドとは何か。トップからその重要性を説かれることはあっても、個人の目線で深く考えたことがあるだろうか。ブランディングと言えば、商品やサービスのブランディング、つまり顧客に向けて行うアウター戦略として認識されることが多い。しかし、近年、それに加えて会社のブランドを社員に浸透させるインナーブランディングの重要性が高まっている。この背景には、「ブランドビジョンを描いても、具体的な行動に落とし込む仕組みがない」「結局は絵に描いた餅で終わってしまう」といった企業の本質的課題がある。