営業パーソンが確実に実績を伸ばしていくには、相手が自分の意思で決断を下すように導くシナリオづくりと、シナリオ中のプロセスごとに相手の気持ちを確認する決めのセリフを持っていることが大切となる。
ヒアリングで聞き出しておきたい3つのポイント
顧客に決断を迫るクロージングとは、商品やサービスの説明を行い、納期や金額等を確認し、「よし、買おう!」と顧客に決定してもらうための最終プレゼンテーションの場ともいえる。ここで、いかに相手の不安を取り除き、喜んで購入したいと思わせることができるか否かは営業パーソンの手腕にかかっており、また、そこへ至るまでには、おさえておくべき様々なプロセスがある。
リクルート社員時代、情報通信・ネット・広告関連商品の営業で6年連続トップセールスを記録したセレブレイン社長高城幸司氏、英語学習プログラムを販売するブリタニカで、世界142社中2位の販売成績を収めたペリエ社長和田裕美氏という、豊富な営業経験の中で輝かしい実績を誇るお2人に、相手の意思を確認し、購入へと促すクロージングの決め台詞と、7つのプロセスにそって重視すべき点を聞いた。
シナリオをつくる
準備段階として、相手先に訪問する前に、商談のゴール地点を明確にしておく。初回訪問の場合なら、「提案書を渡し、その内容を完全に理解してもらう」など、訪問の目的を定め、自分の話したい内容と、相手から予測されるリアクションへの対策をあらかじめ準備しておく。「シナリオを複数用意して商談に臨むことができれば、想定外の事態が起きても説得力ある切り返しを行うことが可能です」(高城氏)。
自己紹介する
初回訪問では、まず、自分が何者なのかをきちんと伝える。さらに、訪問の目的(例「今日は御社の売り上げ拡大のお手伝いをするためにお伺いしました」)、この商談にかける自分の熱意(例「御社のビジネスモデルに非常に興味があります。ぜひ御社と一緒に新しいビジネスに関わっていきたいんです」)、過去の実績という3点を会話に盛り込んで、相手の注意を喚起しつつ、打ち解けた雰囲気をつくるアイスブレークを行う。
ここで気をつけるべきなのは、自己ピーアールしすぎないこと。「売りたい気持ちが先行するあまり、押しが強すぎる営業パーソンは、たいがい相手に引かれ、警戒されてしまいます。簡潔に自己紹介をすませたら、ヒアリングに入りましょう」(和田氏)。