修正作業を行う

商品を提案した後、そのままスンナリ契約を結ぶというケースはほぼ皆無だ。通常、ヒアリング時に相手は思いつくままに多くの要望をいうものである。それをすべて反映して作成した提案書を持っていくと、大概相手の予算をオーバーしていたり、不要なものまで入っていることがある。提案に対し、相手の反応がイマイチな場合、「この提案は御社にフィットしていますか?」「修正が必要であれば、どのあたりですか?」と具体的な問題点を確認する。「もう少しここの予算を削りたい」「この部分をもう少しこうしてほしい」といった要望が先方から上がってきたら、それをもとに、直ちに提案を練り直す。こうした修正作業を何度も繰り返しながら、ようやく契約へとたどり着くのが一般的なケースである。

このとき、相手からの「ノー」の言葉に過剰に反応してしまう営業パーソンがいる。たとえばヒアリングをして作成した企画書に修正を求める相手に対して、「いや、いわれたとおりに作りました」と譲らない、あるいは「すみません」と謝ってしまう人がいるが、それはまったくの見当違いだ。

「ここで大事な点は、必要なものを絞り込み、不要なものを捨てるという作業をお互いに意見を交換し、確認しながら行うことです」(高城氏)

「納期、金額、クオリティ、この中で優先順位をどうつけるか、最終的な判断は相手に行ってもらうべきです。相手が自分の意思で決断を下すということが重要ですが、そこへ導くためのシナリオを、事前に複数準備しておくことが望ましい」(和田氏)