会社人間の「魔のトライアングル」から抜け出すには
ワークライフバランスという言葉が急速に広がっている。その意味を「女性のための仕事と家庭の両立支援」や「仕事を減らして生活のゆとりを持つこと」と理解している人も多いだろう。確かに、国がワークライフバランスを推進する背景には、両立支援の充実や働き方の見直しによって少子化を食い止めようという思惑が透けて見える。しかし、企業が利益を追求する組織である以上、どのような施策も企業にとってメリットのあるものでなければ浸透させることは難しい。
ワークライフバランスを推進する意義は、社員が仕事と私生活のバランスをとりながら、持てる能力を最大限に発揮できるようにすること。そしてそれによって生まれた社員の高い満足度、会社への貢献意欲や仕事への責任、成果へのこだわりが、企業の成長・発展に寄与することにある。つまりワークライフバランスは、企業と個人、両者のWIN・WINの関係を促進する考え方なのである。単に少子化対策やコンプライアンス、福利厚生の一環としてのみワークライフバランスを捉えては、その本質を見誤ることになる。
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