工事現場や厨房、溶接現場で引っ張りだこ
発売当初は、暑さに悩んでいた新しモノ好きの若い人たちにパッと人気が出て売れ始めたのですが、いまやそれだけではありません。炎天下で働く農家さんや工事現場で働くみなさん、空調のない工場や倉庫などで働くみなさん、発熱を伴う作業が必要な厨房や溶接現場で働くみなさんに、熱中症予防としてとても役立つというので買っていただきました。JA(農協グループ)さんでも大量導入してくれましたし、一括で1万個を購入してくださる企業もあり、おかげさまで超大ヒット商品になりました。
地球温暖化の影響もあって、近年は夏の猛暑が深刻な問題になっていて、個人も企業も熱中症対策をしっかりやらなければならなくなりました。ファンがついた空調服も大いに売れていますが、私たちのネッククーラーもその対策のひとつとして選んでいただいています。
ネッククーラーが超大ヒット商品に育ったのは、モデルチェンジのたびに改良を重ねて使い勝手をどんどん良くしていったのと、デザインをカッコ良くしていったことが大きな理由だと考えています。
猛暑では熱風を起こすだけのハンディ扇風機
現行商品の「ネッククーラーEvo」は首の両側2箇所を冷やすものですが、最初のモデルは1箇所しか冷やせませんでした。「首の両側を冷やした方がいい」などというマーケットの意見を取り入れながら、改良を重ねてきたのです。つまり、消費者のみなさんに育てていただいた結果、今日の大ヒットにつながりました。
実はネッククーラーが大ヒット商品に育つまでには、それなりの時間がかかっています。そのスタートは当時流行し始めたハンディ扇風機でした。暑いときには気軽に利用できて便利なアイテムですが、猛暑になると効き目がありません。扇風機ですから、風を起こして体のまわりにある熱い空気を吹き飛ばしたり、汗を乾かして気化熱を奪って涼しくなるという原理なのですが、外気温が体温を超える猛暑になると、熱風を起こしているだけになってしまいます。
こうなると涼しいどころか、生暖かい風になるので、かえって気持ちがわるくなる。どんなに暑くなっても涼しさを確保できるような商品ではなかったのです。