メンターに勧められた商品で投資金をすべて失う?

私の言葉にかなりのショックを受けた様子で、言葉が出てこない状態になっているみどりさん。実は私も、△△さんのことは知っている。みどりさんとは関係がないところで知り合ったため、△△さんの詳細は省くが、いわゆるメンターのような仕事をしている人である。

私が持つ△△さんの印象も、投資詐欺につながるような商品を、みどりさんに勧めるような人には思えない。みどりさんが全面的に信頼しているのも、うなずけてしまう感じなのだ。

「私も△△さんを知っているから、みどりさんに損をさせようと思って勧めたのではないと思うけれど、みどりさんの大好きなお父様から譲り受けたお金を、万が一、失うことになったら、みどりさんも悲しいですよね。それに1000万円がなくなってしまったら、みどりさんの生活設計も、かなり変わってくるはずですが、どう思いますか?」というと、みどりさんは再び無言になってしまった。

「一歩ずつ前に進むしかないですから、まずはご自分の力で確認作業をしていきましょう。投資金を払った後、何らかの書類を受け取っていますよね。その書類に連絡先が書いてあるはずですから、その番号に電話をかけてみて、状況を聞いてみましょう。その電話がすでに使われていなかったら、国民生活センターなどに電話をして、同じような被害に遭っている人がいないかを確認するとよいと思います。それでも状況がつかめないようでしたら、金融庁などに直接電話をしてみるしかないかもしれません。いずれにしてもみどりさんの大切な1000万円が、どのような状況になっているのかは、早急に調べる必要があります。みどりさん、できますか?」
「……」
「調べた結果、1000万円が戻ってこなかったとしたら、普通預金の900万円だけで、やりくりすることになります。とはいえ、900万円では、現在のペースでいくとあと8~9年くらいしか、持たないと思われますが」

十万円を手に持ち、見つめる子供の手元
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

「たしかに、900万円だけで残りの人生をまかなうのは難しいと思います。でも、母親が死んでくれれば、母親の預金(推定5000万円)は私のものになりますし、私が今、住んでいるアパートも自分名義になります。母親さえ死ねば、何の心配もなくなるんです」とみどりさん。

△△さんが自分に詐欺のような投資商品を勧めたとは、絶対に考えたくないようで、みどりさんの話は、母親の財産に移った。