母の過干渉で娘の心が壊された

みどりさんが親と別居したのは、母親との関係性に問題があったからである。

一人っ子ということもあり、幼い頃から溺愛されてきたらしい。同時に、幼い時からみどりさんの行動を細かくチェック。高校生の時は午後6時が門限で、大学生になっても午後8時には帰宅するように言い聞かされてきた。午後8時を過ぎても帰宅しなかった時には、母親が知り得ていたみどりさんの友人宅に電話を入れるなど、過干渉な関わり方をされてきた。

大学生の時、みどりさんに彼氏ができると、干渉はエスカレート。彼氏にもさまざまな質問を投げかけるため、母娘のケンカは絶えず、彼氏ともいつのまにか疎遠になってしまった。そんなことが何度か繰り返されるうち、「自宅を離れないと、母親につぶされてしまう」と思ったみどりさん。大学を中退してアルバイトを始め、ひとり暮らしを始めた。

カフェでお茶をする女性2人のシルエット
写真=iStock.com/Dishka
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ようやく母親から逃れて、心が休まると思ったみどりさんだったが、アルバイト先で要領の悪さを指摘される機会が多く、長く働けても6カ月くらいで解雇されてしまう。そんなことが何度か繰り返されるうちに、働くことが怖くなり、やっとの思いで逃げたはずの自宅に戻ることになった。

しばらくは自室に閉じこもりがちだったみどりさんだが、2年くらいが経ったのち、アルバイトに行けるようになった。「このまま家に閉じこもっていたら、私は駄目な人間になってしまう。母親の干渉からも逃げたい」という気持ちで、この時はなんとか踏ん張ったそうだ。

そして、二度目度目の一人暮らしを開始したものの、以前と同じように、アルバイトは長続きしない。だが父親からの仕送りで、アルバイトをしない時期もひとり暮らしをなんとか継続することができた。