ビジネス上での人間関係はどこまで我慢するべきなのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「その相手はコンディションを崩してまで付き合う価値のある、本当に大事にすべき存在なのか、自問してみるといい。自分にストレスを与えるべきではない」という――。
※本稿は、小林弘幸『気がついたら自律神経が整う「期待しない」健康法』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
他人へのジャッジは自律神経を乱しコンディションを下げる
上司、同僚、部下といった間柄に関係なく、自律神経を整える上で大切なことが二つあります。
一つは、「他人へのジャッジ(評価)を口にしない」ことです。
「あの人って使えないよなあ」「うちの上司はこういうところがダメなんだよ」と誰かをジャッジする言葉を口にすると、一時的なストレス発散にはなるでしょう。
誰かの悪口を言っている最中にスッキリした気分になれるのは、その間に脳内で快楽物質とも呼ばれるドーパミンが分泌され、交感神経が興奮状態になるからです。
身近な人間関係だけに限った話ではありません。
SNSで目にした事件や炎上案件にわざわざ自分から絡みにいき、「こんなバカいるの?」「不謹慎でありえない」「絶対に許せない」と誰かを叩き、裁いたつもりになっているときも同じです。交感神経が興奮状態になるため、バランスが著しく乱れ、その結果として自分のコンディションを下げていることに多くの人が気づいていません。