会社内でイライラ・モヤモヤさせられるシーンは多い。例えば、春先なら無邪気に何でも質問してくる新人、またちょくちょく仕事をさぼっている同僚……。明治大学教授の堀田秀吾さんは「科学的に証明された方法で、そうしたネガティブな感情を上手に手放すといい」という――。

※本稿は、堀田秀吾『もう無理、と思ったらやってみて モヤモヤ・クヨクヨを手放す科学的に証明された方法』(小学館)の一部を再編集したものです。

初心者マーク入りのハートを手に持つビジネスマン
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心が狭小住宅になった自分が嫌になった(36歳)

何もかも質問してくる新入社員がウザい。そんなことググれよ!もう無理!
新入社員が、何から何まで質問してくるんです。独自な社内ルールみたいなことを質問されるのは仕方ないとして、WordやExcelの基本的な使い方や漢字の読み方、言葉の意味まで聞かれると、そんなのググれよ! って言いたくなっちゃいます。いつの間にこんなに心が狭小住宅になったのかと自分がイヤになります。(36歳 会社員 独身)

先輩が後輩の指導をするのは当たり前と言うものの、そこまで聞くかってなると、確かにウザいですね。

——最初は、教えるのも仕事のひとつと思って我慢していましたが、WordやExcelの使い方はほんとググってもらったほうがまちがいがないし、漢字や言葉の意味くらいは辞書引けよって気持ちになっちゃうんです。

自身の業務をこなしながら、後輩へ仕事を教えたり、指導するのは確かに骨が折れますよね。でも、人に教える行為は自分にもメリットがあるんですよ。

——そうなんですか? 体力吸い取られるだけかと……。

そんなことはありません。他人に説明すると、説明する側も成績や能力が向上します。これは、ワシントン大学セントルイス校のネストイコ氏らの研究で明らかになっています。実験では2つのグループに分けて、次の前提をもとに勉強してもらいました。

① あとで人に教える
② あとでテストを受ける

結果、①のグループのほうが学習内容をよく理解し、覚えていたのです。

——へえ~。人に何かを教えるって、自分にもそんなメリットがあるんだ……。そう思えば、教えることを負担には感じなくなりますね。

教えるって、改めて自分の中でも整理しなければできませんよね。そういう効果もあると思いますよ。