怒りを感じた瞬間に、左手を強く握ってみてください
——木を見て森を見ず、ということになっていたのかも。出社後すぐコンビニに直行しようと、その日の業務を時間内に終わらせていれば、問題ないですもんね……。
長所も踏まえてその人を評価するほうが、お互いプラスになると思いますよ。ところで、ついモノに当たってしまうって、具体的にはどんなことなんですか?
——職場では絶対やらないけど、帰宅してからリビングのクッションを床に叩きつけたり、ドアを乱暴に音を立てて開け閉めしたり。ゴミ集積所で資源ごみのビンや缶を、ためておく容器に思いっきり投げ入れたり……。
なかなか闇が深いですね……。
——とりあえずスッキリできるんですけど。
本当にスッキリしてますか? 実際、モノに当たってもよい影響がないことは、科学的に実証されているんです。
オハイオ州立大学のブッシュマン氏らが行った実験では、怒りをモノにぶつけた人は、より攻撃的になり、怒りがおさまるどころか無関係な人にまで怒りをぶつけるようになったそうですよ。
——怒りを発散させて、おさめるつもりが、さらに怒ってしまったという……怒りの無限ループじゃないですか。
そう。だから、イライラしてモノに当たるのは、むしろ逆効果。ストレス発散どころか、さらなるストレスや怒りを生むことになるんです。
——簡単に怒りを抑える方法はありませんか?
怒りを感じた瞬間に、左手を強く握ってみてください。
——なぜ左手なんですか?
左の脳の前頭前野は、怒りの感情と関連しているということが最近の研究でわかってきているんです。テキサスA&M大学のピーターソン氏らの研究では、左の脳につながっている右手を握ると怒りを強く感じられ、右の脳につながっている左手を握ると怒りが抑えられたそうです。
左脳(右手)は怒りのアクセル、右脳(左手)は怒りのブレーキというわけです。
——怒りが全開な自分を想像したくないですが、もしそうなったら左こぶしをぎゅっと強く握ってみます!
手放し方
・ネガティビティ・バイアスはカット!
・イラッとしたら左こぶしを握れ オハイオ州立大学のブッシュマン氏ら/テキサスA&M大学のピーターソン氏ら