※本稿は、佐藤ブゾン貴子『ビジネスは顔が9割 武器としての相貌心理学』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
カリスマ起業家の条件は「勢いとブレーキ」のバランス
近年、ウーバーやエアビーアンドビーをはじめ、数多くの「ユニコーン企業(評価額が10億ドル=約1000億円を超える未上場のスタートアップ企業)」が登場しています。日本でも、10代の若さで起業する人が注目を集めたりしています。
ソフトバンクの孫正義氏から、メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOまで、カリスマ起業家として成功している人々の顔を観察すると、最大のポイントは「勢いとブレーキ」のバランスにあることがわかります。
たとえば「額」であれば、思考の速さを示す「額の傾斜(まっすぐに立ち上がっておらず、角度がついていること)」と、論理的思考力を示す「額の三分割」を兼ね備えていること。
あるいは「鼻」であれば、鼻筋は前方に突出しているけれども、鼻の付け根は「くの字」に引っ込んでいること。鼻筋が突出しているのは「勢い」を表していますが、付け根の引っ込みは「批判精神」を表します。
この「突出する勢い」と「引く姿勢」のバランスが、起業家にとっては非常に重要です。どちらも、素質的には多くの人に見られるものですが、両方を同じバランスで持っている人はなかなかいません。
ほとんどの人は「勢いが強いタイプ」か「ブレーキが強いタイプ」のどちらかに分かれます。
しかし、勢いだけでは乗り越えられないハードルというものは存在しますし、逆にブレーキだけが強くても、慎重になりすぎて成長できないという弊害が生じます。
トップのトップになれるような起業家の場合、自分の「野心」さえもコントロールすることができます。
起業家にとって、野心は不可欠です。なんらかの野心がなければ、そもそも起業しようとは思わないでしょうし、立ち上げた事業を成長させることもできません。
とはいえ、過ぎた野心は暴走をも生みかねませんから、そこはしっかり「自制」をする必要があります。
カリスマ起業家の多くは、野心の大きさを表す「前に出たあご」に特徴がある一方で、自制心の強さを示す「固く引き締まった唇」の持ち主でもあります。
個人事業主や、小さな企業のトップであれば、勢いだけでもやっていけるでしょう。しかし、そこからさらに事業を拡大していけるかどうかは、「勢いとブレーキ」のバランスにかかっていると言えます。