最後に、「喩え」を用いるときに重要なポイントをお伝えしておきます。それは、相手が高確率で知っているもので喩えることです。

犬塚壮志『説明組み立て図鑑』(SBクリエイティブ)
犬塚壮志『説明組み立て図鑑』(SBクリエイティブ)

裏を返せば、相手が知らないものや未知のワードを用いて喩えても、理解してもらえず、逆に混乱を招く可能性が高くなるということです。冒頭の「ラフレシア」のように相手にとって未知である可能性が高い単語を使って喩えてしまう場合です。

例えば、何かの2つの物の強さの比較をする場合、「喩えると、同じサイヤ人でもベジータとラディッツくらい強さは違うよ」と説明されても、『ドラゴンボール』というアニメを知っている人しかこの喩えは理解できないはずです。

そのため、同じアニメでも、「ジャイアンとのび太くらい強さは違うよ」のように、幅広い世代で老若男女とわず相手が高確率で知っているであろう『ドラえもん』を選ぶほうが無難でしょう。

みんなが知っている「喩え」以外は意味がない

「喩え」で用いるものは、相手が高確率で知っているであろう動植物などの生き物、メジャーなスポーツ、あるいはほとんどの人に経験のある学校周りのことがおすすめです。

例えば、「強靭きょうじんな力の強さ」を喩える場合、生き物であれば百獣の王である「ライオン」、学校周りであれば「ガキ大将」や「番長」、野球であれば「巨人軍」などです。

「喩え」を用いた説明は、相手に瞬時に理解してもらいやすい反面、混乱を招く危険性もはらんでいます。

「喩え」を用いる場合には、特徴を正確に抽出し、前述の組み立てのステップを試してみてください。そうすれば、必ず知的な説明ができるようになるはずです。

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