コロナ禍で“セカンド冷凍庫”をヒットさせた日立グローバルライフソリューションズは、この春、10色展開の冷蔵庫を発売した。白物家電の1つである冷蔵庫でカラーバリエーションにこだわった理由とは。マーケティングライターの牛窪恵さんが開発者に取材した――。

冷凍食品を食べる人が急増

「わが家の冷凍庫がいっぱいで、もう入らない」……。新型コロナウイルスの感染がいまだ終息しないなか、外食にも行けず、買い貯めした「冷凍食品(冷食)」の保存場所に悩む人も多いでしょう。

コロナ禍(2021年)で行われたある調査でも、「夕食時に冷食の利用が増えた」との回答が、3割(日本冷凍食品協会調べ)。また。同年秋にマルハニチロが実施した調査では、冷食を「週1日以上」利用する男女が約6割(57.5%)いて、コロナ前の2年前の調査(45.8%)を、1割以上も上回りました。

冷食利用が増えるなか、入れ物である冷蔵庫の「買い替え」も目立っています。とくに20年度は、「特別定額給付金」(国民1人当たり10万円支給)の影響もあり、冷蔵庫の出荷額も4525億円と、19年度対比で3.1%伸びました(21年日本電機工業会調べ)。

セカンド冷凍庫が注目されはじめる

キッチン以外の場所でも違和感がない。家電量販店などでは7万円弱で販売されている。
キッチン以外の場所でも違和感がない。いわゆる高付加価値製品で、実勢価格は8万円前後(税込)。(写真提供=日立グローバルライフソリューションズ)

一方で、冷蔵庫を買い替えても、冷やせるモノの容量が劇的に増えるとは限りません。とくに日本の場合、わが家も含め、キッチンやダイニングのスペースがさほど広くない家庭が多く、超大型の冷蔵庫を置けるケースは稀でしょう。

そこで、21年夏ごろから注目され始めたのが「セカンド冷凍庫」。その名の通り、2台目の冷凍庫として購入、利用する人が多いとされ、家電量販店でも注目される存在に。

その一つが、日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)の冷凍庫「R-K11R」です。