全国で8店舗を展開するアウトレット店「222(トリプルツー)」は、一律半額以下の低価格で商品を販売している。なぜそのような売り方ができるのか。ライターの小口覺さんが取材した――。
2020年12月にオープンした222新宿店。222としては珍しく雑居ビルの中にある。
提供=ガットリベロ
2020年12月にオープンした222新宿店。222としては珍しく雑居ビルの中にある。

どんな小さな傷でも訳あり品扱い

「高くて半額、安くて1円」をうたう激安アウトレット店「222(トリプルツー)」。2017年、第1号店を滋賀県栗東にオープンし、20年12月には関東進出の第1号店として新宿に出店。現在、全国8店舗展開している。

滋賀県にある222の1号店・栗東店の外観。
提供=ガットリベロ
滋賀県にある222の1号店・栗東店の外観。

同社では、配送などの際にパッケージの箱が破損した商品、返品されてきた商品など、訳あり品をまとめて買い取っている。その数は、1カ月に5万~6万種類にも及ぶ。そのため、商品を選別せずに仕入れている。

日本の消費者は神経質で、箱つぶれ品や返品されてきた商品を新品として購入することを好まない。パッケージを梱包し直すにも、手間や人件費がかかるため、222のような店に買い取ってもらうほうが早いと考える会社が多い。また、ゲーム機などの精密機械は、外箱に損傷があると本体にも支障が及んでいる恐れがあり、一般小売店では新品として販売できないため、どんな小さな傷でも訳あり品扱いになるそうだ。

賞味期限が迫っている・過ぎてしまった食品も様々な仕入れ先から持ち込まれる。廃棄するにもコストがかかるため、安くても引き取ってくれる222のような店は、ありがたい存在だ。その他、コロナ禍で売れなくなった化粧品や、入れ替えの激しい季節商品、限定商品なども流れてくる。

新宿店のアパレルコーナー。
提供=ガットリベロ
新宿店のアパレルコーナー。

赤字覚悟で売る商品も

訳あり品を中心にしているため、メーカーや流通を刺激せずに商品を集められる。これが、大手のディスカウントストアに対してのアドバンテージになっている。

「安売りはしていますが、ディスカウントで大手と勝負しようとは思っていません。大手には資本力で負けますから。いい格好するわけじゃないですけど、『本来捨てられるものを救っている』という思いもあります」(荒木さん、以下同)

222の運営会社・ガットリベロ代表の荒木伸也さん。
222の運営会社・ガットリベロ代表の荒木伸也さん。(提供=ガットリベロ)

商品を選別せずに仕入れ、全品半額以下で販売するとなると、ひとつひとつの商品では原価割れも出てくる。例えば液晶が割れたテレビだ。そうした商品は、赤字覚悟で1000円程度のジャンク品として売り出しているが、グロスで利益を確保しているので問題ないという。

冒頭で紹介したNintendo Switchのような掘り出しものはすぐに売れてしまう。それがお客さんの『毎日見に行かなければ』と足しげく通わせる理由にもなっている。目玉商品は家電やゲーム機だが、常に商品がそろっているわけではない。それらも全て外箱に傷や破れのある訳あり品なので、入荷の頻度にバラつきがある。なお、仕入れてすぐに店頭に出すのではなく、店がメディアに紹介されるタイミングでSNSを通じて抽選販売をしている。

2020年2月には人気商品のNintendo-Switchも半額(この時は1万6000円+税)で販売されていた。外箱の真ん中あたりに細い横長の傷がある「訳あり品」だ。
画像=「222公式インスタグラム」より
2020年2月には人気商品のNintendo-Switchも半額(この時は1万6000円+税)で販売されていた。外箱の真ん中あたりに細い横長の傷がある「訳あり品」だ。

ちなみに21年のNintendo Switchの入荷数は8店舗で10台以下。よほど運が良くないと買えないだろう。

「以前、テレビ番組でNintendo Switchの販売風景が紹介されたことがありました。その後、『いつ入荷するのか』というお問い合わせを多数いただきましたが、コンスタントに入荷しているわけではないのです」

もっとも需要が高いのは、マスクやお米、オムツといった消耗品で、安ければ安いほど、ついで買いやまとめ買いされる。

ちなみに、222における元値は、ネット通販の販売価格の平均値、もしくは定価・メーカー希望小売価格を基準にしている。元の価格をわざと高く表示する二重価格にならないようにしているという。