知名度が高まることで仕入れ先が広がった
「テレビ放送されると、地方の方から『家の近所にも出してほしい』との声もいただけます。何店舗が目標ですかとよく聞かれますが、最初は何の根拠もなく会社の名前に合わせて222店舗と言っていました(笑)。現実的には店の数に合わせて仕入れも拡大しなければならず、やみくもに出店はできません。ただ、メディアに取材されることで、全国の仕入れ先から『買ってくれますか』とご依頼をいただくようになった」
知名度を高めることで、仕入れ先が広がり、より多くの商品を安く売ることができる。その好循環のために、メディアへの露出は不可欠だ。少し昔の話にはなるが、1990年頃に有名になった家電の激安店、城南電機を思い出した。今のように家電量販店がメジャーではない時代、宮路年雄社長はテレビのバラエティー番組に出演しては、城南電機の知名度を高めていった。知名度は仕入れにも有利に働いていただろうし、実際に大金の入ったスーツケースで商品を買い付ける様子が何度もテレビで放映された。令和の時代、あそこまで露骨な演出はできないだろうが、構造的には近しい。
そして、洋の東西を問わず目立つ商売はまねされやすい。半額をうたうアウトレット店が全国に増えてきている。レジ打ちの際、値札の金額で入力していき、最後に半額にする演出までまねしている店もあるそうだ。ただ、これは業界全体にはプラスに働くだろう。ブックオフのような中古本買い取り店も、100均(100円ショップ)も、競合が増えることで市場を広げてきたからだ。
半額アウトレットという業態の認知度や市場が広まっていく中、ブランド力、知名度を競合に対してどこまで高められるかが、222にとっての課題となるだろう。そして、訳あり品も、無限に供給されることはない。ECからリアル店舗に転換したように、成長した222がどう進化していくのかにも注目したい。