3つのスキルで格段にスピードアップ

部下やメンバーのほとんどは、仕事のスピードについて上司よりずっともやもやを抱えているものです。問題把握・解決力も十分ではないので、スピードアップをしようとしても思うようにはいきません。

この問題への解決策があります。3つの重要スキルである、「A4メモ書き」「単語登録」「資料再利用」をチームメンバー全体に最初にトレーニングし、成長するためのベースを作るとともに、スピードアップを習慣化することです。

これは、新たなメンバーが増えたら再度実施します。

「A4メモ書き」は、毎朝のチームミーティングで10分、10ページを目安に実施すると効果的です。Zoomでも十分できます。5ページはチームの共通課題、たとえば顧客獲得、費用削減、品質不具合改善などに関して同じテーマを設定して書きます。

黒の背景にクリップボード付きのホワイトペーパー
写真=iStock.com/voyata
※写真はイメージです

あとの5ページは、各自が自由に悩みを書いたり、多面的に書いたりするパートとします。前半は書いたA4メモを見ながらチームの課題解決についてディスカッションします。

後半については個別の内容というより、「書いてみた発見や感想」を共有する程度にとどめます。A4メモは本来、自分のために書くものだからです。間違っても上司が取り上げて見たりしてはいけません。

MTGで一緒に200以上の単語を登録する

PCのユーザー辞書に「単語登録」は仕事のスピードアップに不可欠ですが、上司が言うだけだとなかなか登録しません。ですから、チームミーティングで一緒に200以上登録するとよいと思います。

社名、部署名、会社住所、主要顧客、関連技術、主要商品、販売店など、チームメンバー全員が登録すべきものは一覧にしてチームに参加した時点で登録します。

それ以外は必要に応じて登録し、チームミーティングでは、どういう単語登録をすると効果的だったかなどを発表して、さらにノウハウを蓄積します。

みな最初は面倒くさくて単語登録を嫌がりますが、いったん数十以上登録すると実際便利で気持ちいいので、チーム全体の底上げにつながります。

そして「資料再利用」ですが、全員が「再利用フォルダ」をデスクトップに用意し、自分が再度利用できそうな資料のファイルを保管するようにします。上司が自身の「再利用フォルダ」を見せて、その便利さをぜひ伝えてください。

わかりやすく生産性が高まることであっても、自主的にはなかなかやらない部下・メンバーが大半ですね。みんな、いろいろな理由をつけて放置しがちです。

Google Docsで共有フォルダと共有ファイルを活用できますが、私のおすすめは、その中で利用頻度の高いものは自分のPCのデスクトップに置いてすぐに使えるようにすることです。結局はそのほうが探す手間もかからず早いです。

みなで一つのファイルを修正するのにが便利ということになっていますが、一部の仕事以外、本当に生産性を上げているのか、それとも逆に管理が煩雑になっているのかという点については吟味したほうがいいでしょう。