実際にどうなのかを見てみよう

では、実際に若者は払い損なのかどうかを数字で検証してみましょう。図表1をご覧ください。

これはそれぞれの世代において自分が負担する保険料と年金給付額がどのようになっているかを一覧表にしたものです。このデータは平成26年の「財政検証結果レポート」に記載されていたものを私が抜粋して作り並べ替えたものです。

木製のブロック
写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
※写真はイメージです

負担額と受け取る額だけ見ると高齢者が得だが…

現在働いている人の9割は給与所得者(サラリーマン)なので、サラリーマンが加入している厚生年金を例に挙げて見てみましょう。ここで言う年金給付額は、年金保険料を払い終わった時点の年齢(多くは60歳です)からの平均余命までの合計額で計算をしています。

現在66歳の人の多くは年金を受け取り始めたばかりだと思いますが、保険料の負担額は1400万円、それに対して受け取る金額の合計は4600万円ですから負担した保険料の3.44倍となります。これが76歳の人だと5.2倍になるのに対して、26歳の人の場合は2.3倍ですから、この倍率だけを見るとたしかに現在高齢の人の方が得をしているように見えます。「ほら見ろ、やっぱり高齢者の方が良い思いをしているじゃないか」と思うかもしれません。でも実際には決してそういうわけではないのです。この理由は図表2をご覧いただくとわかります。