「もっと危機感を煽れ」と意見する専門家
8月10日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)では、神奈川県の陽性者が2000人を超えたと紹介。黒岩祐治知事が「昨年の第一回緊急事態宣言の際は、人と人との接触を7~8割は減らすと掲げ、その状態を実現していた」「今回もそのくらいの対応を考えなければ」と指摘したことを伝えた。さらに、その具体的方策として挙げられた「飛行機や自動車の自由席をなくすなどの措置を取るべき」という黒岩氏の意見にも触れた。
これらの発言を受けて、コメンテーターとして出演していた日本医科大特任教授の北村義浩氏は次のように語った。
「政府や自治体の長も『不要不急の外出を控える』というお決まりの言い方をするばかりで、なんだか四文字熟語みたいに聞こえる。また、若い方は『必要な用事がある』という言い方をして、外出をなかなか控えない。1年前は『医療機関へ行く、もしくは必要な食料品を買いに行く以外は外出しないでください』と訴えていた。あるいは黒岩知事が指摘していたように『接触機会を8割減らす』というような強いメッセージを出していた。今回も『医療機関に行く、食料品を買いに行く以外は、とにかく外に出ないでくれ』というキャンペーンを張ったほうがいい」
「東京都でも自宅療養を余儀なくされたり、なかなか入院の調整がつかなかったりする方が2万人どころか3万人に近づいている。500人に1人はコロナで行動に制限がかかっている。濃厚接触者までいれると100人に1人くらいになる。ありふれた、明日はあなたかも、私かもという状態。危機感をもっと……悪い言い方ですが煽ったほうが、私はいいと思います」
この発言を聞いたとき、私は呆れ果て、ため息すら出なかった。北村氏といえば「マスクはパンツみたいなもの。だからマスクをつけていなかったら罰則を与えてもよい」「マスクにはワクチンと同程度の効果があると考えていい」「マスクは本当にワクチンのようなよいツールで、皆さんを守ってくれる」「マスク会食の義務化に賛成です」「この1年間戦ってきて、マスクはこんなにも強力な武器なのか……ということがよくわかったはずだ」「マスク着用によって、感染を90%以上ブロックできる」などなど徹底的にマスクを礼賛する、マスク推進派の第一人者である。
「コロナを終わらせたくない人々」がいる限り、騒動は終わらない
そんな人物が1年以上に渡ってスポットライトを浴び、ワイドショーなどに出まくっては前述したような発言を重ねて、小遣い稼ぎを続けているのだ。北村氏だけではない。コロナの“専門家”とされる人々がメディアで危機感を煽り、知名度や出演料を手にしている(以前、当連載でも指摘したとおりだ)。
コロナを終わらせたくない人々が発言力を持ち続けるかぎり、コロナ騒動は終わらないだろう。いいかげん「いつものメンバー」が喋り続ける状況に終止符を打ってはどうか。このままでは、本当になにも変わらない。彼らは引くに引けない状態であり、北村氏のように「煽ることは正義」というスタンスでいるのだから。
今回の私の予想については「さっさと外れてほしい」というのが本音だ。とはいうものの……秋には衆議院選挙も控えているし、政治家はビビる国民に忖度した発言をこれからもテキトーに重ねていくだろうから、風向きはなかなか変わらないに違いない。
・あれだけ反対の声が多かった東京五輪も、始まってみればなかなかの盛り上がりを見せた。「東京五輪で世間の風向きが変わる」という私の事前予想どおりになった。
・五輪会期中にポジティブなムードが醸成されたが、閉幕した途端、メディアはまた「コロナ怖い」と危機感を煽るようになった。
・メディアに登場する“専門家”など「コロナを終わらせたくない人々」が声を上げ続けるかぎり、コロナ騒動は収束しない。