国民の行動を著しく制限した専門家たち
いわゆる「専門家」と呼ばれる人々がテレビ番組に出演して私見を述べまくり、それが日本社会全体に多大な影響を及ぼしていく──その不気味さを、1年4カ月に及ぶコロナ禍において、つくづく感じている。なにしろ、絶大な影響力を持つ民放のテレビ番組に出演する専門家であるとか、政府分科会や東京都のモニタリング会議に登場する専門家、そして各地の医師会のトップらが発言をすることによって、国民の行動が著しく制限されてしまったのだから。
本稿では、世間で「専門家」と目される存在の危うさについて、そして、彼らがメディアに出始めると、なぜ「一方向の論調に寄った発言」をするようになるのかについて考えてみたい。後者については、私自身が2010年~2013年ごろに経験した実体験も加味しながら解説していこう。
数字を見れば「騒ぎすぎ」であることがわかる
まず、私自身のスタンスを明確にする。
「専門家こそ、コロナ禍の日本を破壊したA級戦犯。いい加減にしてくれ」
これに尽きる。この1年4カ月を振り返ると、感染症に関する専門家に対しては本当に怒りしか湧いてこない。
諸外国に比べて、日本は明らかにコロナ関連被害が少ない。これは当連載だけでなく、各所で私が指摘してきたことだ。現在、軽くネット検索するだけで、公的機関や専門機関が公表しているコロナ関連のさまざまなデータを容易に入手することができる。横断的にデータを集めて検証するにはある程度のリテラシーが必要かもしれないが、SNSを少し見回せば、各種データを集約して、事実をわかりやすく示してくれている人々に出会える。彼らの解説を参考にするのもいいだろう。
たとえば「目覚めてる庶民(自頭2.0)」氏(@Awakend_Citizen)も、ツイッター上でデータ解説を展開し、われわれにわかりやすくファクトを提示してくれている人物のひとりだ。同氏が集計したデータを見てみよう。補足しておくと、同氏が主に参照しているのは、東洋経済オンラインが公開している「新型コロナウイルス国内感染の状況」だという。このページは、厚生労働省の報道発表資料を集約し、グラフ化している。つまり、公的なデータがネタ元ということだ。
同氏が算出した今年6月25日現在の数字(画像左※)を見ると、「コロナにかかってない日本人」は99.98%、「コロナで死んでない日本人」は99.99%で、「現在の重症者/人口」は0.00045%となっている。重症者の頻度は100万人に4.5人だ。これに対して同氏は「どこがパンデミック???」と感想を述べている。私も、完全に同意である。
※編集部註:初出時、図表の「重症者数」について「累計と誤解する」との指摘がありました。このため図表を6月25日付のデータに差し替え、「重症者数」について「6月25日時点」と但し書きを加えました。文中の数字もあわせて更新しました(6月29日11時00分追記)。
さらに、発生から518日経過した今年6月16日現在の年代別生存率を示した表(画像右)では、生存率の合計が99.9906%であると指摘し「ワクチン必要???」と疑問を呈した。ツイートの本文では〈【個人的な感想】「これを怖いという人、宗教か何かですか?」〉と述べている。
単なる実数です
— 目覚めてる庶民(自頭2.0) (@Awakend_Citizen) June 19, 2021
【事実】
発生から518日間での
日本のコロナ生存率:99.99%
【個人的な感想】
「これを怖いという人、宗教か何かですか?」 pic.twitter.com/HwsKagZz4J
また、青山雅幸衆議院議員も、データに基づいた見解や情報をブログやツイッターで日々発信している。その他、国会でも新型コロナウイルス感染症対策分科会長の尾身茂氏や文部科学大臣の萩生田光一氏に、感染症対策について建設的な質問をしている。青山氏は6月16日のブログで次のような意見を述べている。
〈昨日の衆院本会議で立民・枝野党首が内閣不信任案の趣旨説明で最初に強調していたのが新型コロナは「戦後最大の危機」「感染症における歴史的危機」「国家的危機」。野党やマスコミにとっては、コロナは政権攻撃に今や欠かせない切り札、したがって最大級の評価をしているが、その評価は妥当か?
みんな見落としているが、日本における新型コロナの特徴は、罹患率が低いこと。もっとも罹患しやすい20代でさえ、1年間でコロナに罹患する確率は1.3%。1年通しで100人に1人しかかからない。リスクが大きくなる70代では0.3%。つまり1年通しで1000人に3人しかかからない〉
さらにこう続ける。
〈人には寿命があり、いくら医学が発達しても死は避けられない。そして、年齢が高くなるごとにその数は増えていく。70代では平成30年に1万人あたり180人が亡くなった。一方、コロナで直近1年間で亡くなった方は1人。80代では平成30年に1万人あたり791人が亡くなったが、コロナで亡くなったのは5人。そのほかの年代では、コロナで亡くなる方は1万人に1人に満たない。
これが、枝野氏が言う「戦後最大の危機」「感染症における歴史的危機」「国家的危機」の正体だ〉