500文字あったメールが100文字に
私も会社の上司や同僚に「そんなにくどくど書かないほうがいいよ」と指摘され、結論と要点のみを箇条書きで書くための訓練をしました。
それまで平均して500文字前後あった文章量は、今では100文字ほどに減って、画面を通して見てもスッキリした印象になっています。また、簡潔にしたことで営業メールの返信率もアップしました。さらにメール作成に要していた時間も、約15分から3分前後と、かなりの時間が短縮でき、生産性を高めることに成功しています。
以前の私は、無駄に長いメールを長い時間をかけて書くことが日常化していました。挨拶の文言を入れたらすぐに改行。用件の文章を作成した後、また改行。ここまではみなさんと同じだと思いますが、私の場合、「少し間を置かせたいから、ここは1行ではなくて3行分の行間を取ろう」というように、行間を何ライン空けるかで何十分も悩んでしまっていたのです。
でも実際のところ、行間が1行なのか、3行なのか読み手は誰も気にしていません。「そんなのどうでもいい」というのが、読者のみなさんも含め、相手の本音でしょう。それよりも、用件が的確かつ端的に伝わる内容で、スピーディーな返信のほうが重要なのです。
「そんな当たり前なことをいまさら」とご指摘を受けそうですが、当時はこうした細かい点にまで神経を尖らせていました。だから、細かすぎて逆に生きづらかった。それで、細かい点は削除して結論と要点のみを箇条書きにするなど、いろいろと工夫をした結果、それまで15分かかっていたメールを3分に短縮できるようになったのです。
親近感をグッと増すメールのテクニック
ポイントの2つ目は、相手のスタイルに合わせることです。
メールを含めたコミュニケーションは、相手に理解してもらって初めて伝わったと言えます。最初のうちは時候の挨拶や「お世話になります。△△社の●●です」といった文言を入れますが、相手のメールからそれらの慣用句的なフレーズが消えた時点で、こちらのメールからも削除します。
さらに、メールのフォーマットもよく似せます。例えば、1ラインが20文字で、1行空きでメールを送ってくる相手だったら、こちらも同じフォーマットで作成するなど、相手の土俵やスタイルに徹底して合わせていきます。
こうした相手のフォーマットに寄せる行為は、その人の思考パターンをなぞることと同じことです。いわゆる「ミラーリング効果」の助けを借りて、やり取りしている相手との親近感はグッと増していくはずです。
ゲームに例えるとするならば、相手のタイプなどに合わせて、繰り出す技を変えたりしますよね。バトルでは相手になるべく効果的な技を出すと思います。それと同じことです。相手にとって効果的な方法は、相手の発信や発言に隠れています。それを見つけ出して、相手の「ツボ」を押さえてしまうのです。