懐に入るには言葉をマネる

気を許せる仲間が周りにいるか、いないかで、仕事で得られる達成感、充実度は全く違ってきます。また、協力者が多いほどに、成果にも直結していくでしょう。

銀河『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』(扶桑社)
銀河『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』(扶桑社)

「仲間をつくる」と言われても、「自分はユニークな趣味を持っていないから無理だよね」「キャラが立ってないと忘れられてしまうよね」「会話がおもしろくないから、相手を退屈させてしまうのではないか」と、自分には無理な話だと思ってしまう人も多いかもしれません。でも、私の言う「仲間をつくる」とは、漫画『ONE PIECE』に出てくる仲間たちのように深く濃い付き合いを指しているわけではありません。私が言う仲間とは、「何かあったときに助けてもらえる」程度の間柄です。

そして、こうした仲間をつくることは、コミュニケーション能力があまり高くないと言われるこだわりさんにとっても、決して難しいことではありません。言葉の使い方のコツを覚えるだけで意外と簡単に仲間をつくることはできるのです。そこで、ここでは仲間意識を生じさせる言葉の扱い方についてお伝えしていきたいと思います。

相手と波長を合わせるために必要な3つのポイント

こだわりさんは、適当さがないゆえ、緊張感を生むコミュニケーションを取りがちです。それでは、相手もつい身構えてしまいます。その結果、かつての私がそうだったように、「この人とは波長が合わないな」と思われてしまい、仕事のチャンスが減るだけではなく、周りから人が離れていってしまい、孤独感と閉塞感に苛さいなまれることになりかねません。

そうならないためにも相手と「波長」を合わせることは、意思疎通を図る上でとても重要なことです。

では、コミュニケーションにおける“波長”とは一体何でしょうか。

私は、この“波長”をつくっている要素は3つあると思っています。

1、話すスピード・リズム
2、タイミング(間)
3、使用する言葉

これら3つの要素を、相手に合わせておけば、間違いありません。

例えば、「1、話すスピード・リズム」と「2、タイミング(間)」ですが、相手の人が怪談でおなじみの稲川淳二のように、テンポが速く、言葉が矢継ぎ早に出てくる人なら、普段よりスピードを速めて話してみる。シンガーソングライターのGACKTのように、ゆっくりと言葉を紡ぎ、フレーズとフレーズの間に一呼吸置くような話し方なら、同じように真似てみるという感じです。