日本は「行きたい国」の第1位

新型コロナウイルスの影響で、世界各国の人々の往来はほぼストップしたままだ。コロナ前の2019年、訪日外国人観光客数としてトップ(約959万人)だった中国人も同様で、先の春節の大型連休も彼らは日本へ旅行にくることはできなかった。

2020年12月24日、上海にオープンした「蔦屋書店」
写真=Imaginechina/時事通信フォト
2020年12月24日、上海にオープンした「蔦屋書店」

しかし、2015年の爆買いブーム以降、彼らの「日本愛」は年々強まっており、2020年に行われた中国旅行大手トリップドットコムの調査でも、日本は「行きたい国」の第1位となっている。そのため、現在は深刻な「日本ロス」の状態にあるのだが、それにしても、彼らはなぜ、そこまで日本に憧れ、日本に来たいと思っているのだろうか?

日本人俳優が多数出演する映画が大ヒット

今年の春節、帰省自粛を強いられ、旅行に行けなかった中国人の間で大ヒットした映画がある。『唐人街探索3』(邦題:僕はチャイナタウンの名探偵3)だ。もともと1年前に公開される予定だったのだが、コロナの影響で延期となってしまい、今年の春節に、満を持して公開された。映画は探偵コンビが事件を解決していくというコメディ・サスペンスで、今作はシリーズの3作目。東京が舞台となっている(第1作目はバンコク、第2作目はニューヨーク)。

日本側の出演者は日本人と中国人の血を引くという役どころの妻夫木聡をはじめ、長澤まさみ、三浦友和、染谷将太など超豪華な面々。渋谷のスクランブル交差点(実際は栃木県足利市のセットで撮影)を始め、東京の代表的なスポットが数多く登場するということで、中国の映画ファン、日本ファンの間では、昨年から「早く見てみたい」という期待の声が大きかった。

実際に映画を観たファンのSNSを見てみても「スクランブル交差点、チョー懐かしい!」「あそこで自分も写真を撮りたい!」「早く東京に行ってたくさん買い物がしたい!」といった声が多かった。まるで映画のシーンの中に「かつて自分も歩いた東京の風景」を必死で探し求めているかのようだった。