「なんちゃって日本」ではもう満足できない
ちょうど昨年の秋、広東省仏山市や蘇州などで「ニセ日本街」が出現したことを記憶している読者もいるだろう。東京・新宿の歌舞伎町を模したストリートや、変な日本語の怪しい看板が並ぶエリアで、若者たちが写真を撮りまくっていたところが日本でも報道されたが、すぐに著作権の問題が発生して、一部は撤去された。
中国には14億人もの人々が住んでおり、今もまだ、そうした「なんちゃって日本」的なものがときどき出現しては、消えていく。そして、著作権が何かも分からずに喜ぶ人々がまだ大勢いることは事実だが、その一方で、上海や北京などでは成熟した「日本ファン」が着々と育ち、日本人が想像する以上に、日本行きを心の底から望んでいる。私はこの1年で、そのことを痛感させられた。