モラハラ対策カウンセラーのJoeさんは、「他者に振り回される人ほど、自分の心を開け放ちすぎている」と断言。人に優しく、いつもニコニコし、口数の多い人ほど、気づけば他人のペースに巻き込まれてしまうのです。他者のマウントから身を守るために何ができるでしょうか——。
※本稿は、Joe『私を振り回してくるあの人から自分を守る本』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。
付け入る隙を見せないためには
振り回されない人になるベースは、「相手より一段上にいる」という意識です。
あなたが何か入ったボウルをもって、相手と向き合っていると想像してください。相手より一つ下がると、相手に見下されてボウルの中身も丸見えになります。でも、相手より一つ上がると、相手はあなたを見上げることになり、しかもボウルの中身も見えなくなりますね。
したがって、「相手より一段上にいる」意識をもつというのは、相手から見えない「影の部分」を演出するということ。これは「防御のための威圧感」のベースとなる意識なのです。
すると、まさに防御といったとおり、自分の心に「バリア」のようなものが作られ、相手は土足で踏み込んでこられなくなります。
一段上から優しさを見せると「尊重」されるようになる
それだけではありません。
「相手より一段上にいる」意識をもって「影の部分」を演出した状態で、「優しさ」を差し出すと、相手はあなたを尊重するようになるのです。
心のままに付き合える相手ならばいいのですが、とくに自分を振り回す相手に対して、心を開け放った状態で接すると、相手は容赦なくあなたの心に入り込んできてマウントをとります。振り回しにかかるのです。
赤ちゃんのかわいさの元は、すべてを開け広げた包み隠さぬ無邪気さですよね。それは、あくまでも、未熟で保護を必要とする赤ちゃんだから、有効なだけです。いい大人がすべてを見せて愛されようとするのは、人間関係の戦略として、相当に厳しいと言わざるを得ません。
というわけで、「相手より一段上にいる」意識が基礎中の基礎。その意識を作るために、普段から、次のルールを実践してみてください。