どうすれば稼げるようになるのか。ビジネストレーナーの岡崎かつひろ氏は「稼げるようになるためには、お金よりも価値のある信用を高めるべき。ただ、安易に信用をお金に換えてしまえばお金も信用も失うことになる。信用をお金に換えるのではなく、信用をもとにお金を生み出す仕組みを考えるべきだ」という――。

※本稿は、岡崎かつひろ『“好き”を仕事にできる人の本当の考え方』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

円のマークの入ったバッグと天秤に載せられた人々
写真=iStock.com/Andrii Yalanskyi
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「得意なことをやろう」と考える人は努力が足りてない

「好きなことを仕事にしよう」と並ぶ、もう1つのダメな働き方が「得意なことをやろう」「長所を生かそう」というものです。これは、まったくダメです。

この手のアドバイスに従ってしまう人は、本当に自分の得意なことがわかるほどの努力をしていないケースが多いです。どんなことだって、努力していく過程には壁がつきものです。

「自分にはできないんじゃないか」「じつは自分に向いていないんじゃないか」など、自分の能力を疑ってしまう……そんなときが必ず来ます。壁を乗り越えて次のステージ、また次の壁を乗り越えてその次のステージ、そうやって壁にぶつかりながら、自分のステージを上げていくものなのです。

ほかの人から見て「この人は○○が得意だ」と見えているものも、本人の自己評価は低かったりします。「いやいや、まだこんなもんでは……」という感じです。それはそうですよね、上には上がいるのだから。

おもしろい心理効果に、ダニング=クルーガー効果というものがあります。これは、1999年にこの効果を定義したコーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱した認知バイアスのことです。簡単に言えば「能力が低い人ほど、自分の能力を過大評価しやすい」というものです。