全国で職場を放棄するようSNS上での呼びかけが拡散

クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、市民の大規模なデモが続いている。2月22日には全国で職場を放棄するようSNS上での呼びかけが広がり、多くの店舗が連帯して休業。地元メディアは、参加者が100万人を超えたと報じている。

2021年2月21日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンでクーデターに抗議するデモ隊
写真=時事通信フォト
2021年2月21日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンでクーデターに抗議するデモ隊

こうしたデモが続いているため、ミャンマーの経済と社会には大きな影響が出ている。市民らは今後も運動を続け、国軍による統治機能をまひさせることを狙っている。

今後、どのような展開が予想されるのか。注目すべきは、中国の動きだ。

「民衆の基本的権利」を説く中国の駐ミャンマー大使にはあきれる

2月16日、中国の陳海(チェン・ハイ)駐ミャンマー大使が地元ミャンマーの報道機関に対し、次のように語った。

「中国は軍事クーデターの計画について何も知らなかった。情勢の混乱は望まない。対話による問題解決が重要だ」
「スー・チー氏らの即時解放を要求した4日の国連安全保障理事会の声明は、中国を含む国際社会の共通の考えで、もちろん中国も解放を求める」
「中国はスー・チー氏との関係も国軍との関係も、良好だ。双方の和解のために建設的な役割を発揮したい」

陳大使は最大都市のヤンゴンの中国大使館前で、中国への抗議デモが起きていることにも触れ、「抗議デモの訴えは理解できる。民衆の基本的権利は保護されるべきだ」とも語った。

こうした陳大使の言葉は中国の本心なのだろうか。鵜呑みにしていいのか。沙鴎一歩は「国軍寄りだ」との批判をかわしたいがための方便だと思う。香港の民主派にあれだけの弾圧を繰り返しておきながら、「対話による問題解決」や「民衆の基本的権利」を口にするとはあきれる。