会社で出世するにはどうすればいいのか。巨大グループ企業に派遣社員で入り、34歳で役員になった二宮英樹氏は「仕事のテクニックや、資格や知識を身につけてもそれほど差はつかない。ただし、ある仕事のルールは徹底していた」という——。
ディレクターズチェア
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資格や知識がなくても出世する人の共通点

私はアメリカの短大を卒業して23歳の時に帰国し、大塚製薬という企業に派遣社員として入りました。最初に配属されたのは、ヘルプデスクという部署です。そこから10年間、試行錯誤を続けながら働き、34歳で大塚グループの最年少執行役員になりました。

大塚製薬は誰もが知る大手製薬会社で、有名大学を卒業した優秀な正社員が数多います。アメリカで2年制の短大しか出ていない自分と学歴で比較すると雲泥の差です。「それなのに、なぜ日本の老舗の大手企業で役員にまでなれたのか?」「何か特別な仕事術があったのか?」という質問をよくされます。

無我夢中で走り抜けた10年間が『派遣で入った僕が、34歳で巨大グループ企業の役員になった小さな成功法則』(ダイヤモンド社)という本になりました。

執筆しながら振り返った、自分の仕事術についてまとめてみました。

実は私の仕事のやり方は、誰にでもできる至ってシンプルなもので、特別な「術」は何もありません。ただ、いくつかの徹底したルールがあります。

仕事のテクニック、学歴や資格を身につけることはみんなやっているし、時間と労力を掛けたからといって、そんなに差がつくものではありません。大事なことは、どうすれば自分が職場で有利なポジショニングを獲れるのか、どのようにすれば自分の行動を変えていけるかという意識だと思います。

なぜなら、学歴だけあっても組織の中で待遇や地位が飛躍的に向上している人をあまり見たことがないからです。逆に、学歴や資格がなくても出世している人たちがいます。その人たちは決まって七転び八起きのように、くじけず前進する圧倒的な行動力があるように思います。また、彼らは切り替えが上手で、常に自身のコンディションをいい状態でキープできる方法を知っているのです。

行動力と自身のベストコンディションを維持するためのルールをいくつかご紹介したいと思います。