世界同時不況の真っ只中、日本の製薬市場への影響は比較的軽微な状況である。民間保険が主力の欧米と違い、国民皆保険で自費負担が少なくて済む日本では、不況で薬代を節約するような動きが出にくいからだ。

とはいえ、そのことが国内勢の将来性を担保するわけではない。この先、彼らの前には2つの大きな壁が立ちはだかることになる。ひとつには、これまで製薬大手の売り上げを支えてきた大型薬の特許が、2010~13年頃にかけて次々と切れていくことがある。