前回製薬大手の新薬開発が岐路に立たされていることをお伝えした。化学的なアプローチによる開発が困難になるにつれ、開発コストは膨大になりつつある。特許の期限切れに伴い、先発薬と同等の効果を持つといわれている後発品の躍進は避けられない状況だ。だが、製薬大手も指をくわえてみているわけではない。

近年、化学的アプローチとは違うバイオ創薬と呼ばれる開発が注目を集めている。一昨年から昨年にかけて、武田薬品工業は米アムジェンの日本法人を、アステラス製薬が米アジェンシスを、エーザイが米モルフォテックをそれぞれ買収したのもこれにあたる。