神社側は既に分散参拝や手水舎の柄杓の撤廃や甘酒提供の自粛など様々な対応が推奨され、各施設でそれぞれ取り組まれているようです。私たちも人出の少ない日時を選択した密にならない参拝を心がけましょう。

おせち料理は、通常お重に入っています。そこから取り箸をしようして、各個人に取り分ける形が多いでしょうか。今年はその取り箸にも懸念があります。可能であれば、取り分けられた状態でおせち料理を楽しむと良いでしょう。

おせち料理
写真=iStock.com/hichako
※写真はイメージです

また、家庭でアクリル板を用意するのは難しいかもしれませんが向かい合って座らず、一度に大勢で集わず短時間で過ごしましょう。食事の際にも3密を考慮しながら過ごされるのを忘れないでいただきたいです。

お年玉や年賀状に関して、お年玉の受け渡しや年賀状を家族内で読み回すことも感染リスクを高めます。ただし、なかなか回し読みもせずに年賀状を保管するわけにもいかないでしょうから、その後にしっかりと手洗いに努めていただければと思います。

羽子板・凧揚げも屋外のアクティビティーになります。密を回避して、共有物を使用した後の手洗いはやはり徹底しましょう。

年末年始は新型コロナ以外の病気にも要注意

年末年始の病院の救急外来では次のような患者さんをよくお見受けします。

①風邪

連日の飲み会に疲れ、体調を崩し、それでも無理して参加し、その後本格的に体調不良に陥った患者様です。

②急性アルコール中毒

過度な飲酒によって、急性アルコール中毒の状態になり意識が混濁した状態で救急搬送されるような方にも深夜の救急外来で頻繁に遭遇するのもこの時期です。

③ノロウィルスなどによる感染性腸炎

繰り返す嘔吐と下痢で一晩中トイレに篭り格闘した後の患者様です。前日の飲み会で生牡蛎を堪能していたりすることも多いでしょうか。冬場のウィルス性腸炎には注意が必要ですね。食事も注意が必要ですね。

『今年はここに注意』

年末年始の医療機関は、スタッフが事前にシフトを組み、通常の診療体制を縮小して患者様の入院対応や救急外来の体勢をとっています。通常と比して、マンパワーが不足しています。医療者も年末年始の休暇を短期間でも取得しています。

さらに今年は、発熱が主訴である方など症状によって診療の時間や場所を分け、通常の診療体制とは異なる状況となっている診療所や病院が多いです。

緊急の受診の場合、必ず医療機関へ電話などで受診の方法や診療時間を確認・相談することをお勧めします。さらに、保険診療としてオンライン受診という新しい方法も今年は多くの医療機関で使用することができるようになりました。感染対策として活用していただければと思います。

今年散々繰り返し目や耳にした、今年の漢字『密』や、流行語にもなった『3密』は、感染対策を考える際に極めて重要なキーワードです。決しておろそかにはできません。この基本を忠実に守って、穏やかな年末年始を過ごしてほしいと思います。

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