シュークリームを食べさせると人の心はやわらかくなる心理学的根拠
【ガンコな人】 ・一度決めた意見を変えない
・自分の意見を押しとおそうとする
・相手の意見に耳をかたむけない
かたい木のイスに座っていると、私たちの心も頑かたくなになりやすい。
ところが、やわらかなソファに座っていると、今度は、心もやわららかくなる。
私たちの心理には、そういうところがあるのだ。
したがって、ガンコな人を相手にするときには、できるだけやわらかなソファなどに座らせながら、対応するとよいであろう。
米国マサチューセッツ工科大学のジョシュア・エイカーマンは、かたい木のイスか、やわらかいソファのどちらかに座らせて交渉をやらせてみた。自動車を買うために販売店をおとずれ、購入希望価格を提示したが、拒絶されたという前提で、再提案をさせるという実験である。
なお、自動車には1万6500ドルという価格がついている。
では、いくら支払ってもよいと再提案したのか。
かたい木のイスに座っていたグループでは、平均して8965ドルしか出せないと頑なな態度をつづけた。半値近い価格で自動車を売ってくれというのだから、ムシのいい話だ。
ところが、やわらかなソファに座っていたグループでは、1万2436ドルという提案だった。割引は求めるものの、メーカーの希望価格により近いかたちでの提案であった。
この実験でわかるとおり、私たちの心理は、自分がどんな状況に置かれているのかによって、大きな影響を受けるのである。ガンコな人間を相手にするときには、まずは、心をやわらかくするような状況に置いてあげるとよい。
やわらかなソファに座らせるのは、ひとつの手である。ほかにも、やわらかなものを触らせるのもいいだろう。やわらかなシュークリームや、ワッフルなどを食べてもらうのも、いいかもしれない。やわらかなものに触れていると、私たちの心もやわらかくなる。自分でも無意識のうちに、態度が柔軟になるのだ。
ガンコな人も、人間である以上はそういう影響を受けるので、こちらに対してもあまり頑なな態度をとらなくなるであろう。むしろ、やさしく、親切な態度をとってくれるようになるであろう。
ガンコな人が、365日、24時間ずっとガンコなのかというと、そんなこともない。自分が置かれている状況によって、いくらでも態度がかわってくることもありうる。相手の性格は変わらないかもしれないが、一時的な心理的ムードはいくらでも変えることができる。やわらかな態度をとらせることも十分に可能だということは覚えておくとよい。
やわらかいソファに座らせて、シュークリームを食べさせよう