金利の高いローンから低いローンに借り換える方法は、毎月の返済額を減らすために行うのが一般的だ。ここでは逆に、返済額を増やして住宅ローンの早期完済に活用する。
例にあげたのは、前ページと同じ10年前に借りた3500万円、期間35年、金利3%の固定型ローン。残額2840万円の時点で、金利1.95%の固定金利選択型(10年)のローンに借り換える。返済期間を変えなければ、毎月返済額は現在の13万4698円から11万9685円に、約1万5000円ダウンする。
パターン(1)は、毎月返済額を今より約4万7000円多い18万2103円にして、定年時点で残額を返済する方法。子どもの独立後ならなんとかなりそうな額だが、利息軽減額は約814万円にも上り、借換諸費用を引いても約757万円の節約になる。
パターン(2)は、あと10年で全額返す方法。毎月返済額は約12万6000円増えるが、退職金は手つかずで残すことができる。利息軽減額は約912万円、期間が短いため借換諸費用が10万円下がり、節約効果は約865万円となる。余裕のある人なら、頑張るだけの価値がありそうだ。
(取材・文=有山典子)